花粉シーズン到来!

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寒さも一段落し、ようやく桃の節句の季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
さて今月の【健康づくりWEBかわら版】をお届けします!


花粉症シーズン到来!


スギ花粉のピークを迎える時期になりました。2018年春のスギやヒノキの花粉飛散量は、全国的に2017年春より多くなると予測されていますが、対策は万全でしょうか?
そこで今回は『花粉症』に関するお話です。


花粉症の人は増加している?!


現在、国民病といわれている花粉症ですが、その患者の割合は日本人の約25%といわれています。
しかし、花粉症は意外にも戦後に報告された比較的新しい病気で、次の理由で増加したといわれています。

 

  • スギ花粉の増加
  • 排気ガス・大気汚染
  • 住宅・オフィス環境の変化(通気性の少ないダニ・カビの温床)
  • 食環境の変化(高タンパクや高脂肪の食生活)
  • 不規則な生活リズム・ストレスの多い生活
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要注意の日は予測できる?!


花粉が飛散を始めて1~2週間後くらいから、花粉の飛散量が増えてきます。日本気象協会は、花粉の大量飛散になる可能性がある日を「前日または当日の未明まで雨で、その後天気が急に回復して晴れ、南風が吹いて気温が高くなる日が要注意日となる。」と明記しています。
よって、“雨上がりの翌日”、“風が強く気温が高い日”などは万全の花粉症対策が必要です。

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治療法は?~対処療法~


花粉症の治療には、症状を抑える「対処療法」と、完全に治す「根治治療」があります。強く出ている症状に応じて、まず対処療法である薬物療法(点眼、点鼻薬、内服薬)を行い、薬が効かない場合は手術が検討されます。

 

  • くしゃみ・鼻水…抗ヒスタミン薬
    ヒスタミン(化学伝達物質)による刺激を抑制し、くしゃみや鼻水を抑える内服薬。
    即効性はあるが、眠気が出ることがある。
  • 鼻づまり…抗ロイコトリエン薬
    ロイコトリエンという鼻づまりの原因物質を抑える内服薬。
    花粉症初期から投与を始めるのが効果的。
  • くしゃみ・鼻水・鼻づまり…鼻噴霧用ステロイド薬
    花粉症の鼻や目の症状全般に効果がある薬。スプレータイプで1日に決められた回数、鼻の中に噴霧する。副作用は極めて少ない。
  • 目のかゆみ…点眼薬
    目に症状があらわれている場合に使用する。眼圧の上昇に注意が必要。
    花粉飛散開始2週間前より投与するのが一般的。
  • 検査で異常がなく、薬が効かない場合…鼻粘膜焼灼手術
    レーザーで鼻の粘膜を凝固させ、アレルギー反応が起こる部位を減らす。

毎年ひどい花粉症!根本的に治したい!~根治治療~


根治治療としては、次の2つがあります。

 

『皮下免疫療法』
花粉の抽出液を段階的に濃度を上げて注射し、身体に花粉を慣らしてアレルギー反応を抑制する治療法。

【条件】

  • 最低月1回の受診・注射が可能であること(最低2年間)。

【注意点】

  • 長期間の治療を受ける意思が必要。

 

『舌下免疫療法』
舌の下にスギ花粉のエキスを置き、2分間保持したあと、飲み込み、アレルギー反応を抑制する治療法。ここ数年で普及した新しい治療法で、自分でできるので続けやすいのが特徴。

【条件】

  • 舌下に2分間保持を毎日実施すること。
  • 最低月1回の受診が可能であること(最低2年間)。

【注意点】

  • 長期間の治療を受ける意思が必要(治療の意義を理解する)。
  • 口のかゆみや腫れなどの副作用への対処法を理解しておく。

 

根治治療は経過観察のため継続的に通院する必要がありますが、高い効果が認められています。治療を希望する場合は、治療ができる医療機関に相談してみましょう。


シーズン中のセルフケアは?


薬剤治療と併せて「花粉」を鼻や目、室内に入れない、症状を悪化させない努力が大切です。

 

    • 花粉飛散量が多い日や時間帯(13~15時頃 地域差あり)は外出を控える。

    • 外出時は帽子・メガネ・マスク・ストールなどを着用し、完全防備をする。

    • 帰宅後は衣服やペットについた花粉を払って入室し、洗顔やうがい、手洗いで顔や目、体についた花粉を洗い流す。
    • 花粉飛散量が多い時はドアや窓を閉め、花粉の侵入を防ぎ、こまめに掃除をする(空気清浄機の活用も効果的)。

    • 布団乾燥機を活用し、布団を外に干さない(干す場合は午前中に行い、取り入れる際は表面を掃除機で吸うと効果的)。

    • 寝る前にお風呂やシャワーで花粉を洗い流し、枕まわり約1mくらいの花粉をウェットティッシュで拭き取る。

  • ストレス・多量飲酒・睡眠不足を改善する。
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最後に・・・


花粉シーズンが終わった時は、薬物治療の有無やセルフケアで症状がどうだったかなど、症状を自己分析してみましょう。症状を覚えているうちに専門の医療機関に相談し、来シーズンの花粉症対策を行うことが大切です。

 

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。

 

  • 安全衛生のひろば 2018.2「花粉症 なぜ起きる?どう防ぐ?」
  • 日本気象協会HP
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PDF版はこちら 【2018年3月】健康づくりかわら版.pdfをダウンロード

一般財団法人日本予防医学協会
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