内側から潤う乾燥肌対策

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年末のカウントダウンまで残りわずかとなってまいりました。
今年はどんな1年でしたか?
さて今月の【健康づくりWEBかわら版】をお届けします!

 

内側から潤う乾燥肌対策

 

気温や湿度が下がる冬の時期は、肌から水分が失われやすく乾燥肌による肌トラブルに悩む方も多いのではないでしょうか。
小さな肌トラブルであれば、潤いを逃さないよう肌の保湿機能を高めるケアを心がけることで予防・改善も可能です。
そこで今回は『乾燥肌』に関するお話です。

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乾燥肌とは?

 

乾燥肌とは、肌内部にある「セラミド」や皮脂が減り、肌の水分をうまく保てなくなった状態をいいます。皮膚は、いちばん外側の角質層にある皮脂、角質細胞間脂質、天然保湿因子の3つの働きによって皮膚の水分を保ち乾燥を防いでいます。この3つが減少し皮膚の表面に潤いがなくなると、ホコリや細菌などの外部刺激や花粉などのアレルゲンから肌を守るバリア機能は低下してしまいます。皮膚のバリア機能が低下すると、髪や衣服が触れる程度の軽い刺激で痒みを感じたり、使い慣れた化粧品で赤くなるなど刺激に対して敏感になり、カサつきをはじめとする様々な肌トラブルが起こりやすい状態になります。皮膚の乾燥は放っておくと皮脂欠乏性湿疹と呼ばれる疾患となり、病院での治療が必要になります。

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乾燥肌の予防と改善

 

最近では保湿成分が流出しにくい洗顔やボディーソープが販売されるようになりましたね。乾燥肌対策として、皮膚の保湿成分を流出させない工夫や、化粧水やクリームなどの保湿剤で保湿成分を補うなど、外側からのスキンケア対策が頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか?皮膚は新陳代謝を繰り返し、約28日間周期で作りかえられています。健康的な肌をつくるためには、このリズムを保ち体内を代謝の良い状態にしておくことも大切です。
全身の血行を促進し新陳代謝を活発にすることが実は肌の状態に大きく関係しています。

【睡眠】
就寝からの3時間で深く眠ることができれば肌を回復させる成長ホルモンがたくさん分泌されることがわかっています。


以下の3点に気をつけましょう。

 

  • 就寝時に血糖が下がっている状態にする。就寝前は食べない。
  • 眠る頃に体温が下がるようにする。就寝1時間前に入浴する。
  • 就寝前1時間はスマホやテレビなどを避け脳を覚醒させない。
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【運動】
運動不足により体の代謝が悪くなると体内に老廃物がたまったり、血行が悪くなったりして、肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れやすくなります。また、過度のストレスは肌の再生に必要なビタミンを消耗するため、運動不足だと感じている方は、ストレッチやウォーキングなど軽い運動を行うことで、代謝があがると同時にストレス解消効果もあるのでおすすめです。

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食習慣と乾燥肌

 

【乾燥肌になりやすい習慣】

糖分の多い菓子パンや清涼飲料、カフェイン、冷たいもの等の習慣的摂取は、代謝が悪くなりやすいため控えましょう。

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【乾燥肌になりにくい習慣】

●朝食をとる
朝食をとると一気に体温が上がり、1日中代謝の高い状態で過ごすことができます。反対に朝食を抜くと代謝の低い状態が続くため、肌の再生リズムも乱れることになります。朝食を抜いている人は、朝食をとって肌の変化を確認してみましょう。

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●糖質を制限しすぎない
最近では“糖質制限”という言葉が広く知られるようになりましたが、糖質は過剰摂取だけでなく、制限し過ぎることもまた病気の要因となります。なお、適量の糖質は、体内でグリコーゲンという形で水と一緒に蓄えられるため、肌の潤いを保ちます。

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●適量の植物油をとる
脂質は身体の細胞膜や細胞間脂質、ホルモンなど多くの組織の材料であり、摂りすぎ、控えすぎともに病気の要因となります。


・控えたい油…インスタント食品やファーストフード、スナック菓子、マーガリン、ドレッシングなど
・摂りたい油…魚油、オリーブ油、亜麻仁油、えごま油など

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●野菜を食べる
ビタミン類は体内に溜めることができないため、1度にたくさん食べるよりも毎食少しずつ食べる方が効率よく利用できます。
また、肌の健康に役立つビタミンEは、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。

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内側からも乾燥ケア!効果的な栄養素

 

代謝をよくするためには、必要な栄養素が不足しないようバランス良く食べることが大切ですが、特に乾燥肌に効果的な栄養素を7つ紹介します。


【ビタミンA】皮膚や粘膜の潤いを維持する。
 レバー、ウナギ、アナゴ、卵、緑黄色野菜など

 

【ビタミンB】新陳代謝を活発にする。
 豚肉、レバー、卵、大豆、納豆、玄米など

 

【ビタミンC】コラーゲンの生成を促す。抗酸化作用。
 菜の花、パプリカ、柿、レモン、キウイなど

 

【ビタミンE】血行促進。抗酸化作用。過酸化脂質を分解する。
 サーモン、かぼちゃ、アーモンド、アボカド、ゴマなど

 

【セラミド】角質層の水分を保持し皮膚を外部の刺激から守る。
 こんにゃく、大豆、黒豆、小豆、ひじき、ワカメなど

 

【α-リノレン酸】細胞膜やセラミドを作る原料になる。
 魚油、アマニ油、えごま油など

 

【亜鉛】細胞分裂に必要な酵素を働かせる。
 牡蠣、赤身の肉、タラバガニ、ウナギなど

 

最後に・・・

 

乾燥肌といえば冬場に多い悩みでしたが、最近では不規則な生活や睡眠不足、栄養の偏り、ストレスなど様々な原因により1年を通して乾燥肌に悩む方が増えています。乾燥肌対策は、そのまま生活習慣病をはじめ多くの病気の予防にもつながります。いつまでも健康で若々しく潤いを保ち、冬も快適に乗りきりましょう。

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※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。

  • 「きょうの健康」2017/02
  • 「へるすあっぷ21」2015/07
  • スキンケア大学 http://www.skincare-univ.com/
 

PDF版はこちら 【2017年12月】健康づくりかわら版.pdfをダウンロード

 

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