レントゲン検査
レントゲン検査
レントゲン検査はX線を照射して体の内部を調べる検査です。炎症や潰瘍、腫瘍などを見つけることができます。アクセサリーや洋服のプリント、長い髪の毛などは撮影の妨げになるので注意が必要です。また妊娠している方は検査できません。
胸部レントゲン検査
胸部レントゲン検査は胸部にX線を照射して、肺・心臓・両肺の間にある縦隔などの器官の異常を調べる検査です。胸部疾患の治療中・経過観察中で胸部レントゲン検査を希望されない場合は、事前に職場の健康管理担当者にご相談ください。ペースメーカーを装着している方は機械に支障が出るおそれがあるため検査できないことがあります。またインスリンポンプ等の器具を装着している方は検査時に取り外していただきますので、ご自身で交換できる場合のみ検査できます。
胃部レントゲン検査
胃部レントゲン検査は、発泡剤で胃を膨らませたうえで造影剤(バリウム)を飲み、X線を照射します。これはX線を通さない造影剤で胃壁を覆うことで、胃の形状や凹凸を見やすくして撮影するためです。食道から胃、十二指腸までを観察して、臓器の形や異常(炎症、潰瘍など)を調べる検査です。
乳房レントゲン検査(マンモグラフィ)
乳房レントゲン検査(マンモグラフィ)は、乳房全体をプラスチック製の板で挟み薄く伸ばしてレントゲン撮影します。腫瘤・石灰化・局所的非対称性陰影(腫瘤ほどはっきりしない白い影)などを発見できます。
授乳中の方は検査できません。また豊胸手術を受けた方は内容物破損の可能性や診断可能な範囲が限られるため検査前に必ずお申し出ください。問診のうえ、実施可能か判断します。
Q&A

妊娠していたらレントゲンを受けられないと聞きました。現在妊活中なのですが、どうしたらいいでしょうか。

健康診断で実施する胸部レントゲン検査の被ばく量はわずかで、胎児への影響も極めて小さいと考えられています。しかし健康診断のX線検査は緊急性や重要性が高くないため、妊娠している方の検査はご遠慮いただいています。妊活中であっても検査が精子や卵子に影響することはありません。念のため、妊娠の可能性のあるタイミングは健診を避けるよう受診日を調整ください。万一レントゲン検査後に妊娠が判明した場合でも、胎児に悪影響を及ぼす心配はほとんどありませんが、ご不安があれば産婦人科の主治医にご相談ください。

けがをしているのですが、レントゲン検査を受けるときに注意することはありますか?

通常の検査を受けていただくことができます。ただし、レントゲン検査では、鮮明な画像を撮影するため、撮影の瞬間に体を動かさないように器具をしっかりと掴んでいただいたり、スタッフが体に触れて姿勢を調整したりすることがあります。痛みがあったり力を入れにくい部位がある場合は、検査前に健診スタッフにお申し出ください。

血圧が高いから胃のレントゲンが検査できないと言われました。血圧と胃に何の関係があるのでしょうか?

胃部レントゲン検査では、より正確な画像を撮影するために、検査台の上で体の向きを変えたり、頭側を低くするなどの動作を伴うことがあります。これらの動作により一時的に血圧が上昇する場合があり、もともと血圧が高い方では、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まる可能性があります。そのため、当会では安全面に配慮し、最高血圧が180mmHg以上または最低血圧が110mmHg以上の方については、胃部レントゲン検査を実施しておりません。

便秘が数日続いているのですが、胃のレントゲン検査ができないと言われました。なぜですか?

胃部レントゲン検査では、造影剤としてバリウムを服用していただきます。バリウムは通常、検査後に便として排出されますが、長時間体内にとどまると硬く固まり、腸閉塞や消化管穿孔(腸に穴があくこと)などのリスクが生じる可能性があります。検査後はできるだけ早く排出することが大切ですので、当会では安全のため、検査当日までに3日以上排便がない方(便秘が続いている方)には胃部レントゲン検査を実施しておりません。

授乳中の方は胃部レントゲンの前にスタッフへ言うようにとのことですが、なぜですか?

胃部レントゲン検査では、造影剤(バリウム)を体外へ早く排出していただくために検査後に緩下剤(下剤)を準備しています。しかし、授乳中の方が緩下剤を服用すると、稀に薬の成分が母乳を通じて赤ちゃんの便通に影響を及ぼす可能性があります。そのため、薬の種類の変更や検査の中止など状況に応じた対応をさせていただきます。授乳中の方は、事前に健診スタッフまでお申し出ください。

健診結果に「乳房の構成」という欄があり、「極めて高濃度」と書かれていました。なにか気を付けることはありますか?

「乳房の構成」に「極めて高濃度」と書かれていた場合、乳腺の量が多く、マンモグラフィ検査で乳がんが見えにくい可能性があります。そのため、必要に応じて超音波(エコー)検査を併用するなどの追加検査が推奨されることがあります。乳腺の濃度は体質によるもので病気ではありませんが、検診の方法や頻度について医師と相談してみてください。

マンモグラフィは痛いと聞いています。どのくらい痛いのでしょうか。

マンモグラフィ検査では、乳房を専用の機械で一時的に圧迫して撮影するため、圧迫感や痛みを感じる方がいます。乳房が張っていると痛みが強い傾向があるため、生理後の時期を選んで受診していただくことをお勧めします。また、事前にスタッフに痛みが不安なことを伝えていただくと、できるだけ負担を軽くできるよう配慮いたします。