※検査結果とは日本予防医学協会が受診者様、健診ご担当者様にご報告している以下の【検査結果】に関するご説明です。
- 受診者様宛の健康診断レポート
- 健診ご担当者様向けの健康診断レポート控え(個人通知)
- 健診ご担当者様向けの健康診断結果報告書、要管理者一覧表、受診者一覧表(ホチキス止めしてあるもの)
- 健診ご担当者様向けの健康管理台帳 等
マンモグラフィ
乳房専用のレントゲン検査です。石灰化の描出に優れており、早期の乳がんの発見に有用です。
40歳以上の方にマンモグラフィー検査をおすすめします。若い方(20~30代)は乳腺が多く、石灰化や腫瘤の判別が難しいためです。この検査では圧迫板で乳房を薄く伸ばして撮影するため、痛みを伴うことがありますが、なるべく多くの部分を良い画像で撮影するためです。
X線を使用するため、妊娠中の方は受けられません。
カテゴリー分類 | 検査結果の説明 | 判定 区分 |
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カテゴリー1 | 異常なし | 異常ありません。 | A1 |
カテゴリー2 | 良性 | 石灰化した線維腺腫や、脂肪腫による影響等、明らかに良性と判定できる所見です。 | A2 |
カテゴリー3 | 良性 しかし悪性を否定できず |
良性の可能性が高いが、悪性も否定できない所見です。 超音波検査等の追加検査が必要です。 |
G2 |
カテゴリー4 | 悪性の疑い | 悪性の疑いがあります。他の詳しい検査が必要です。 | G2 |
カテゴリー5 | 悪性 | ほぼ乳がんと考えられる病変があります。更なる検査が必要です。 | G2 |
※判定医の判断により、判定が変わることがあります。
マンモグラフィー検査所見
よく見られる所見 | 所見説明 |
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石灰化(疑い) [せっかいか] |
乳房内部にマンモグラフィーでは輝度の高い(明るさが増している)カルシウムが沈着したと考えられる部分が点状・線状にみられることがあります。石灰化部分が腫瘍を示すわけではないのですが、悪性を疑われる場合があります。明らかに良性と判断できるものもありますが、悪性疾患に伴う石灰化は非常に小さく、悪性を疑うものや、良悪性の鑑別が必要な場合は、詳しい検査が必要です。 |
腫瘤 [しゅりゅう] |
乳房内で、他の細胞とは異なる組織の塊がみられます。良性もしくは、悪性の場合がありますので詳しい検査が必要です。 |
局所非対称陰影(疑い) [きょくしょひたいしょういんえい] |
「腫瘤」と言えるほどの濃度や境界を持たない左右非対称性の陰影のことです。腫瘍との鑑別のために精密検査が必要になる場合があります。 疑いの場合は、正常範囲の左右差と思われますが、まれに腫瘍が潜んでいることがあるので、定期的な検査を受けてください。 |
乳房超音波検査
超音波で実施するため被曝せず、体の負担はほとんどありません。妊娠中の方でも安心して受けることができます。乳房内の腫瘍の有無、腫瘍の大きさなどがわかります。乳腺が発達している若い方でも腫瘍を見つけやすく、小さな腫瘍も発見できるのが特徴です。悪性の腫瘍にがん、良性の腫瘍に乳腺線維腺腫などがありますが、良・悪性を判別することが難しい場合があります。また、マンモグラフィーと違って乳がんに特徴的にみられる小さな石灰化を映し出すことは難しいため、乳がん罹患率が上がる40歳以上の方はマンモグラフィー検査を主に受けて頂き、超音波検査は併用して受けて頂くことをお勧めします。
乳房超音波検査所見
よく見られる所見 | 所見説明 |
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乳腺のう胞(疑い) [にゅうせんのうほう] |
乳管がのう状に拡張した状態です。基本的には良性の変化で乳腺症の一つのタイプです。 |
乳腺線維腺腫(疑い) [にゅうせんせんいせんしゅ] |
20代の女性に多い良性の腫瘤です。乳腺とその周辺の線維成分が共に増殖して、乳腺内に丸くて弾力があり触ると良く動くしこりができるのが特徴です。小さいものであれば治療の必要はなく、経過を観察します。疑いとするのは、上記のようなしこりがあるように思われるが確実ではない場合です。 さらに詳しい検査のため専門医療機関の受診が必要な場合がありますので、受診の要否は判定区分を参照してください。 |
石灰化(疑い) [せっかいか] |
乳房内部に輝度の高いカルシウムが沈着したと考えられる部分が点状・線状にみられる状態です。石灰化部分が腫瘍を示すわけではないですが、悪性が疑われる場合があります。精密検査受診の要否は判定区分を参照してください。 |
腫瘤(疑い) [しゅりゅう] |
乳房内で、他の細胞とは異なる組織の塊が見られます。良性・悪性いずれの場合もありますので詳しい検査が必要です。専門医療機関を受診してください。 |
乳管拡張症(疑い) [にゅうかんかくちょう] |
乳管が拡張している状態です。乳腺の分泌過剰や、炎症によるもの、腫瘍などが原因で拡張します。多くは無症状ですが、乳頭から茶褐色や血液が混じった分泌物を生じる場合は、早急に受診が必要です。 |
乳腺炎(疑い) [にゅうせんえん] |
細菌感染により、乳腺に炎症が起きて、痛みや皮膚が赤くなったりする炎症です。治療には、抗生物質の投与などがあります。 |
乳腺症(疑い) [にゅうせんしょう] |
30~40歳代の女性によくみられるホルモンバランスによって変化した乳腺の状態を指します。痛みを伴ったりしこりができることもあります。 受診の要否は判定区分を参照してください。 |
乳房視触診検査
医師が目で乳房を観察してくぼみがないか、手で触れてしこりがないか、リンパ節が腫れていないか、乳頭から分泌物がないかなどを観察します。しこりを発見することで、乳がんを発見する可能性があります。視触診だけに頼っていると小さなしこり(乳がん)を発見できない可能性がありますので、マンモグラフィーや乳房超音波検査と併用する必要があります。