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11月に入り、昼夜の寒暖の差もだんだんと大きくなってきました。冷たい空気の中、ポカポカと照り付ける太陽の光は、私たちの心と身体を温めてくれているようですね。

さて、今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

人生は 感謝するだけで 好転する?!

 

11月23日は、「勤労感謝の日」。「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ということが趣旨となっています。現在は働いている人へ感謝をする日として定着していますが、勤労(賃金を得て働いている人)ばかりに目を向けず、家族や大切な人、周りのすべてに対して感謝する気持ちを持ちたいですね。

 

そこで、今回は『感謝を伝える効果』に関するお話です。

 

感謝を伝える効果

 

心理学者のロバート・エモンズと、マイケル・マッカローが行った有名な実験で、「ちょっとしたことでよいので、感謝できることを5つ書き、それを続けてもらう。
感謝できることを毎日考えたグループは、何もしなかったグループに比べて幸福感が高くなり、人に対して優しくなり、さらに、よく眠れるようになった。
また、毎週考えたグループは、より多くの運動をするようになり、身体的な不調も減少した。」という報告があります。

 

つまり、感謝することで

  • 幸福度が高まる
  • 体調がよくなる
  • 人間関係がよくなる
  • 生産性が高まる

など、様々な良い効果が期待できるということです。

 
感謝すると体内で何が起こる?
 

科学的研究の結果から、感謝することで、セロトニンやノルアドレナリン(情動や感情に作用)、サイトカイン(抗炎症および免疫力)、コルチゾール(ストレスホルモン)、血圧、心拍数 、血糖値など、様々な体内のシステムのバランスが取れる、そして、心身の多くの機能に好影響を与えてくれることが分かってきました。

 

昔から、感謝することは大切!と言われていましたが、心身の健康に好影響を及ぼすことが科学的に実証されてきているのです。
ほんの少しの意識の変化で良い効果があるのなら、今日からぜひ試してみたいですね。

 

感謝を伝える方法

 

職場や家族だけでなく、すべてのモノや食べ物、あらゆるサービスなど、私たちの目の前にあるものは全てそこに至るまでに多数の人々が関わっています。

当たり前のことや目の前にあるものに「ありがとう」と感謝する習慣を取り入れ、今日から人生を好転させていきましょう。

【感謝の習慣を取り入れる方法】

  • 「当たり前」ではなく、些細なことでも「ありがとう」と言う
  • しばらく会っていない人へ、感謝のメッセージを送る
  • 感謝日記をつける
  • 祈りや瞑想で感謝をする

特に「感謝日記をつける」ことは、簡単にできておすすめです。普段使っているノートに、今日感謝したいことを箇条書きで書くだけです。


また、職場では健康経営の一環として「サンクスカード」を取り入れてみてはいかがでしょうか。


弊会で実際に実施したところ、

「職員の笑顔が増えた」
「日頃伝えられないことを伝えることができた」
「これからもたくさんの "ありがとう" をやり取りしていきたい」
など、コミュニケーションの活性化に繋がる素敵な感想が寄せられました。

 

言葉では照れくさく話しにくいことでも、カードでなら伝えやすいということもあり、シャイな日本人にはピッタリの企画。また、近年普及したリモートワークにより、コミュニケーションの機会が減少していることから、導入する企業が増えています。

 

自分の身体にもありがとう

 

つい忘れがちなのが、一生付き合うパートナーである自分の身体への感謝です。
自分のために毎日一生懸命に働いてくれてありがとう。

そう思うことで、以前よりももっと身体にとって「大切なこと」にお金や時間を使おうと意識できるかもしれません。

 

また、毎年の健康診断は身体に感謝をする日として、自分の身体と向き合ってみてください。身体からのSOSや違和感を敏感に察知し、健診結果に応じて、これからの過ごし方を見直す機会にしたいですね。

 

最後に

 

毎朝、目覚めるときのような当たり前の日常に感謝し、自分からどんどん幸運を呼び寄せていきましょう。
皆さんの心が「ありがとう」で満たされる毎日になりますように。
いつもご愛読いただき、ありがとうございます!

 

【参考資料】
・ロバート A.エモンズ.『「感謝」の心理学』, 産業能率大学出版部, 2021, 14-68p
・こころの耳働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
 https://kokoro.mhlw.go.jp/ps/

 

PDF版はこちら 【2022年11月】健康づくりかわら版.pdfをダウンロード

 

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