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朝晩の冷え込みが強くなってきた今日この頃。そろそろ風鈴を片づけて、鈴虫の音を楽しみたいと思っています。

さて、今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

頑張って働いているあなたの目も、頑張っています

 

10月10日は目の愛護デーです。みなさんは目を大切にしていますか?情報社会といわれる今、仕事やパソコン・スマートフォン等で目を酷使する時間も長くなっているのではないでしょうか。

そこで今回は『目の疲れと情報機器』に関するお話です。

 

こんな症状ありませんか?

 
  • 目がかすむ、ぼやける
  • 目の痛みを感じる
  • 目が充血しやすい
  • 目が乾いている
  • 肩こりや頭痛がある

このような症状は、目の疲れによって起きているかもしれません。
症状が長く続く、目を休めても改善しない場合には、眼精疲労の状態になっている可能性もあります。

 
見るという仕組みで分かる「目の疲れ」
 

目は、カメラのレンズの役割をしている水晶体の厚さを変えることでピントの調整をしています。この厚さ調節は毛様体筋という筋肉が担っています。
近くのモノを見るとき、毛様体筋は収縮し水晶体を厚くします。
一方、遠くのモノを見るとき、毛様体筋が緩むことで水晶体は薄くなります。
パソコンやスマートフォンなどを長時間使用することは、毛様体筋が緊張しっぱなし!ということになり、毛様体筋は疲れてしまいます。

 

また、長い時間同じところを凝視するような作業は、まばたきの回数が減ります。そうすると、涙の分泌量が減り、目が乾いた状態になりやすくなります。

 

さらに、目が疲れて見えにくい、ピントが合わないから・・・とパソコンを見やすくするために、前かがみの姿勢になってしまったりすると、肩こりや頭痛の原因になることも。

 

目の疲れや乾きはあなどらずきちんとケアしていくことが大切ですね。

 

 

目のケアにも3管理を!

 

労働衛生の3管理をご存知でしょうか。皆さんの職場が安全に働ける環境として整えていくための基本要素で、作業環境管理、作業管理、健康管理のことを指しています。

 

仕事や情報機器を使用する際には、この3管理の視点を取り入れて目のケアをしていきましょう。

【作業環境管理】
目が疲れにくい作業環境を整えましょう!

  • 明るすぎない・暗すぎないように室内照明を調整しよう
    机上の照度は300ルクス以上が目安
  • パソコンの輝度やコントラストの調整をしよう
  • パソコンの位置や向きを無理のない姿勢で作業ができるように配置しよう
  • キーボードやマウスは位置調整ができるものを選ぼう
  • 机や椅子の高さを合わせよう

【作業環境】
目が疲れにくい方法で作業を行いましょう!

  • 小まめな休憩をとろう
  • 椅子には深く正しく座ろう
  • 長時間同じ姿勢にならないようにしよう
  • ディスプレイの位置や角度・距離を調整しよう
    ディスプレイは目から40㎝以上の距離、画面の上端は目の高さまで
  • 機器の清掃でディスプレイをきれいにしておこう

【健康管理】
目が疲れたら休息とあわせて、アクティブレスト(積極的休養)を取り入れましょう!

 

例:気分転換や散歩
  首や肩まわりのストレッチ
  リラクゼーションや入浴
 
目のケア、全身のケアには、3食の食事・運動・睡眠も重要です。
アミノ酸やビタミンは代謝や筋肉の修復などの効果があります。
野菜や肉・魚、大豆製品等バランスよく摂取しましょう。
 
また、強い光は睡眠の質の低下を招きやすいことが分かっています。寝る前には情報機器の使用は控えましょう。

こちらも参考に

  • 厚生労働省 自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html
  • 健康づくりかわら版 2022年2月号 テレワークの極意
    https://www.jpm1960.org/kawara/04/202202.html
 

専門医の受診も忘れずに!

 

目の疲れかな?と思っていても実は目の病気が隠れていることがあります。
例えば、水晶体が白く濁り見えにくくなったりかすむ「白内障」、視野(見える範囲)が狭くなったり欠けたりする「緑内障」など。
目の不調が続いている場合は眼科医を受診しましょう。
また、メガネやコンタクトレンズを使っている場合は、定期的に度数が合っているかなどのチェックをお忘れなきようお願いいたします。

【参考文献】
・厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 
 「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
 https://www.mhlw.go.jp/content/000580827.pdf 

・厚生労働省 自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01603.html 【2022年9月21日閲覧】

・四国医誌 58巻3号 矢野雅彦 VDTと眼精疲労 p.84-87

・厚生労働省 健康日本21(休養・心の健康)
 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html【2022年9月21日閲覧】

 

PDF版はこちら 【2022年10月】健康づくりかわら版.pdfをダウンロード

 

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