バックナンバー
日本予防医学協会HP

いよいよ5月、暦の上では夏の始まりです。澄み渡る空や新緑の匂いなど、さわやかな初夏の気候を楽しみたいですね。

さて今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

茶々っと知ろう!お茶のこと

 

今年は5月2日が立春から数えて88日目の八十八夜です。
夏も近づく八十八夜~♪と歌われているように八十八夜といえば「お茶」。各地で茶摘みに関するイベントなども行われ、新茶を楽しむ予定の方もいるのではないでしょうか。
古来より親しまれてきたお茶ですが、近年ではその健康効果にも注目されています。

そこで今回は『お茶』に関するお話です。

茶葉
 

お茶(チャ)とは?

 

緑茶、烏龍茶、紅茶等の原料となる「チャ」は、学名Camellia sinensis(カメリア・シネンシス)といい、チャの葉には他の植物には稀なカテキン、テアニン、カフェインが含まれています。

同じチャの葉から製造方法によっていろいろなお茶になります。

・不発酵茶(緑茶)

製造の最初の段階で加熱することにより、発酵をとめます。

茶葉の緑色が保たれており、玉露や番茶、煎茶などの種類があります。

・半発酵茶(烏龍茶)

青茶とも呼ばれ、緑茶に近い軽発酵から紅茶に近い発酵まで様々です。
焙煎の要素も加わるので、多種多様の味や香りを楽しめます。

・発酵茶(紅茶)

製造の最終段階まで加熱しないことで、茶葉を完全に発酵させます。茶葉は赤褐色になります。

いろいろなお茶

その他にも、茶葉が持つ酵素の働きを熱によって止め、微生物の力で茶葉を発酵させてつくる後発酵茶(プーアル茶)や、番茶や煎茶等を焙じて飲むほうじ茶など、発酵の有無や度合い、加工方法によって同じチャの葉から味わいも香りも様々なお茶を飲むことができます。

【茶々っと雑学~チャとティーの別れ道~】
世界のほとんどの国で使われている茶を意味する言葉は「cha・チャ」と「tea・ティー」に分かれます。どちらも中国が起源ですが、伝わったルートによって呼び名が異なります。
中国語や広東語の「チャ」は陸路でアジアへ広まり、ヨーロッパとの交易港があった福建省の方言の「テ」をもとにした「ティー」は、海路でヨーロッパへ伝わりました。
名前から歴史をたどれるのは、古くから親しまれてきたお茶だからこそできること。すごいですね。

 

お茶の成分と健康効果

 

茶には様々な成分が含まれていますが、代表的な成分にカテキン、テアニン、カフェインがあります。

・カテキン(渋みのもと)

ポリフェノールの一種。

殺菌作用があり、口臭・虫歯予防、体脂肪低下や抗がん作用等が報告されています。また、茶カテキンを含む「特定保健用食品」も販売されています

・テアニン(甘みのもと)

アミノ酸類。
日光を受けると渋み成分であるカテキンへ変化します。
リラックス効果があり、カフェインの興奮作用を抑制することが報告されています。

・カフェイン(苦みのもと)

覚醒作用や強心作用、利尿作用等があり、眠気を抑えて集中力を高めてくれます。
カフェインは茶の他にもコーヒーやエナジードリンク、風邪薬等にも含まれており、摂りすぎには注意が必要です。

 
抹茶

また、茶には抗酸化・抗がん作用のあるビタミンA(カロテン)、口角炎予防・抗酸化作用のあるビタミンB群、抗酸化作用・ストレス解消作用等の効果があるビタミンCなどのビタミン類も含まれており、健康効果についての研究も進められています。

なお、含有量は種類や抽出方法で変化します。
例えば、緑茶の中でもカフェインの含有量は玉露で高く、ほうじ茶では少なめです。また、抽出温度が高いほど、カフェインが多く抽出されます。

 

機能性PR!新しいお茶

 

研究の結果、最近では機能性をPRしたお茶も出てきています。

・べにふうき緑茶

茶品種「べにふうき」には、花粉・ハウスダストやほこり等による目や鼻の不快感を軽減させることが報告されている「メチル化カテキン」が含まれています。
紅茶にすると酸化酵素の働きでメチル化カテキンが消失してしまう等の理由から効率的に利用するためには緑茶として摂取することが望ましいとされます。 

・サンルージュ

眼精疲労軽減効果が期待される「アントシアニン」を多く含みます。

・水出し緑茶

冷たい水で緑茶を淹れると、渋みの強いエピガロカテキンガレート(EGCG)と苦みのカフェインの溶出量が低下するため、うま味を感じやすいお茶となります。
また、お湯で淹れた緑茶に比べてエピガロカテキン(EGC)の割合が高く、免疫機能の維持が期待されています。

これからどんなお茶が出てくるか楽しみですね。

 

最後に・・・

 

先日、福岡県のお茶どころ八女に行ってきました。
ほうじ茶作り体験、茶料理等を楽しみましたが、中でも印象に残ったのが玉露。初めての美味しさに感動しました。
それから時間があるときはお茶を淹れて飲んでいます。
ペットボトルで手軽に飲むのもいいですが、急須で丁寧に淹れたお茶は、何とも贅沢な気分にさせてくれます。
皆様もホッと一息にお茶、いかがでしょうか。【Y】

茶摘み
 

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。
・国立天文台「暦Wiki」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B5A8C0E12FBBA8C0E1A4C8A4CFA1A9.html
・農林水産省「茶をめぐる情勢」令和8年1月(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/attach/pdf/ocha-155.pdf
・農林水産省「味わいも香りもさまざまなお茶の種類」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2204/spe1_03.html
・農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
・農林水産省「緑茶の美味しさと機能性を両立する「水出し緑茶」」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/new_tech_cultivar/2021/2021seika-19.html
・公益社団法人日本茶業中央会「茶の健康効果20選」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.nihon-cha.or.jp/pdf/health_benefits20.pdf
・全国茶商工業協同組合連合会 小学校副教材「おいしいお茶にどきどき」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.zencharen.info/_files/ugd/485728_a751696626a44cb9afc6f689a16df81f.pdf
・京都府「緑茶カテキン類」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.pref.kyoto.jp/chaken/catekin.html
・京都府「テアニンについて」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.pref.kyoto.jp/chaken/teanin.html
・国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「べにふうき緑茶の研究情報」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/contens/benifuuki/index.html
・国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「品種詳細 サンルージュ」(最終閲覧日:2026年3月18日)
 https://www.naro.go.jp/collab/breed/0200/0206/001814.html
・FAO(国際連合食糧農業機関)「A cup of tea… or cha? 」(最終閲覧日:2026年3月30日)
 https://www.fao.org/newsroom/story/A-cup-of-tea-or-cha-/en

 
 

PDF版はこちら【2026年5月】健康づくりかわら版をダウンロード

 

一般財団法人日本予防医学協会
HP https://www.jpm1960.org/
本メールマガジンに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
Copyright (c) The Association for Preventive Medicine of Japan.
All rights reserved.