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日本予防医学協会HP

2026年も早いもので1か月が経ちました。
暦上は春を迎えようとしています。
さて今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

あなたの人生にこれまで以上の運動というエッセンスを

 

今年は、2~3月の冬季五輪・パラ五輪、3月のワールドベースボールクラシック、6~7月の北中米サッカーワールドカップ、9~10月のアジア競技大会・パラ大会と、世界的なスポーツイベントが目白押しな年となっています。
スポーツ観戦好きの筆者には寝不足の日々となる予感がします。
そこで今回は『運動、スポーツ』に関するお話です。

野球
 

運動は「する」、「みる」、「ささえる」もの

 

令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、運動を「する」「みる」「ささえる」などの実施状況を調査しています。
(「ささえる」:大会・試合の運営や審判、施設管理の手伝い、スポーツクラブ・団体での指導等。)

週1日以上運動・スポーツを「する」者の割合は、20歳以上の平均で52.5%でした。
また、スポーツを「みる」ことをした割合は68.5%で、「ささえる」ことをした割合は9.7%でした。
「する」「みる」「ささえる」のいずれか一つでもした方の割合は80.6%であり、多くの方の人生の一部に運動・スポーツが関わっていることがわかります。

なお、「運動・スポーツを週1日以上実施したいと思う者の割合(スポーツ実施希望率)」は66.6%。つまり運動・スポーツをしたいけれど実施していない率が14.1%です。「する」ことが難しい要因には、面倒くさい、仕事や家事が忙しい、体力の衰え等が挙がっています。

スポーツ実施希望率とスポーツ実施率の差は、性・年代別でみると特に20~40代の女性で大きい状況です。
仕事を頑張っていたり、家事・育児・介護等を行う年代では、運動・スポーツをする時間を確保することが難しい状況にありそうです。

虫眼鏡でのぞき込む女性
 

スポーツを「みる」と心身に起こること

 

運動・スポーツを「する」と以下のような心身の効果があることが知られています。

●身体的

・寿命の延伸
・心肺機能の向上
・肥満・生活習慣病予防
・フレイル・サルコペニア予防、転倒予防
・骨粗しょう症予防 など

●精神的

・気分の高揚
・ストレス解消
・自己肯定感の向上
・睡眠の質の向上 など

応援する女子高生

では、「みる」効果はどうでしょうか。
スポーツ観戦をしていると、応援するチームや選手が活躍したり白熱する場面などで、心臓がどきどきし、喜びや悲しみなどを共有しようとします。
脳内では、喜びを期待してドーパミン、実際に喜んでエンドルフィン、精神を安定させるセロトニンなど神経伝達物質が分泌され、実際には運動・スポーツをしていなくても心理的な効果が得られることがわかっています。

心拍数があがることで、運動をしているのと同様に血流量が増加し、自律神経の調整にも効果があります。

また、応援したり自身の感情を表現することもできストレス解消にもつながります。そして、同じスポーツやチーム・選手を応援するコミュニティを持て、帰属欲求(社会的欲求)が満たされることにもつながります。

 

「みる」間も身体を動かそう!

 

観戦していると、つい座りっぱなしになりがちです。
観戦の合間に意識的に立ち上がる、歩く、ストレッチする、階段を利用する等を行い、血流が滞らないようにできると良いです。

座位(座っている状態)よりも立位(立っている状態)のほうが身体活動の強度が約2倍高く、消費エネルギー量も多くなります。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の場合、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすること、歩行またはそれと同等以上の生活活動を1日60分以上(目安8000歩以上)や息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことが推奨されています。

「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2024」では、上記の推奨身体活動量を達成できている方は47.9%と報告されています。(成人男性47.2%、成人女性44.5%、高齢男性52.3%、高齢女性62.4%)半数以上の日本人は健康維持・増進のために推奨される身体活動量に達していないのです。
また、1日あたりの座位行動時間は活動時間中の57.3%を占めています。

日本人は世界各国と比較して座位時間が長いことがわかっています。座位時間が長いほど、肥満症、2型糖尿病になりやすく、寿命が短くなるため、日頃から「座りっぱなし」を減らす意識を高めておきたいですね。

旗を掲げる男性
 

スポーツ観戦時の注意点

 

スポーツ観戦の際、現地観戦する場合でも、自宅などでテレビ・
インターネットなどを介して観戦する場合でも、何か飲食しなが
ら、ということも多いのではないでしょうか。
現地観戦であればご当地グルメを選択したり、自宅等であれば手
軽に食べやすいおつまみやワンハンドメニューが選ばれやすいか
と思います。

メニューとして選ばれやすいスナック菓子やピザ、フライドポテ
ト等は、糖質・脂質過多になりやすく、カロリーの収支が合わな
いということが起こりやすいです。
野菜スティックやミニトマト、枝豆、チーズなどと組み合わせて
みるのもお勧めです。

野菜スティック
 

スポーツを「ささえる」ことでうまれる幸福感

 

「ヘルパーズハイ」という言葉を聞いたことがありますか?ボランティア活動や奉仕活動を通して人の役に立っているという幸福感を感じることです。
スポーツにおいても、「する」「みる」「ささえる」を複合的に行っていると幸福感が高まる傾向があると示されています。

ボランティア活動に携わる人はそうでない人と比べ、死亡リスクが低く、幸福感と寿命や身体的健康に関連があると報告する論文もあります。
「ささえる」活動を行うことで、誰かの役に立ちつつ自身の健康を維持・増進できるなら、支える側、支えられる側、社会全体にとって好循環がうまれますね。

ハートを手に持つ人々
 

最後に・・・

 

1月は寒く、年末年始もあり、普段よりも活動量が少なかった、という方も少なくないのではないでしょうか。
2月からは今よりもちょっとでも身体を動かして、健康維持・増進していきたいですね。【K】

 

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。
・令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(スポーツ庁)
 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/sports/1415963_00013.htm(令和7年1月8日時点)
・活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2024 (笹川スポーツ財団、公益財団法人明治安田厚生事業団)
・健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 (厚生労働省)

 
 

PDF版はこちら【2026年2月】健康づくりかわら版をダウンロード

 

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