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私の健康、私の権利 My health, my rights

2024年の四半期が過ぎました。季節はすっかり春、二十四節季の「清明」が訪れます。爽やかな4月の始まりを感じますね。
さて今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

「私の健康、私の権利」
My health, my rights

 

4月7日は世界保健デー。今年のテーマは「私の健康、私の権利」です。日本でも新たな健康への視点を取り入れた健康づくりが本日より始まります。
一人ひとりが健康維持・増進を意識することと、国が考える健康はどう関連しているのでしょうか。
そこで今月は、『個人と社会の健康づくり』に関するお話です。

ハートを包み込む手
 

未来の日本の健康に向けて

 

人生100年時代を迎え、現在の日本は少子高齢化社会が急速に進んでおり、国民の健康づくりを社会全体で進めていくことの重要性が高まっています。
また、個々人の健康課題も多様化しています。社会からの支援も適切に受けながら、ご自身に必要な健康情報を取捨選択し、健康維持・増進をしていくことが大切です。

 

健康日本21(第三次)の概念

 

本日より始まる健康日本21(第三次)は、2024年から10年間の国民健康づくりです。

健康日本21(第三次)では、健康日本21(第二次)の評価からみられた課題を踏まえ、基本方針に5つの新たな視点を取り入れています。

  • 女性の健康に着目し、性差や年齢等も加味した健康づくり
  • 自然に健康になれる環境づくりの推進
  • 多様な「主体」を巻き込んだ健康づくり(健康経営、産業保健などと自治体での取り組みの連携を図る)
  • 栄養・食生活、身体活動・運動、睡眠、喫煙などにおける具体的な取り組み事例(アクションプラン)の提示
  • 個人の健康情報の見える化・利活用の推進
 

「私の健康」を考える

 

私たち一人ひとりができる健康づくりの1つは、生活習慣の改善、生活習慣病の発症・重症化予防、心身の健康を維持して生活機能を維持・向上させることです。

【食・栄養】

  • 主食・主菜・副菜を組み合わせ栄養バランスのよい食事をとる
  • ご飯と麺類など主食の重ね食べを控える
  • 脂身の多い肉の部位は摂りすぎず、魚類も積極的に摂り入れる
  • 塩分の摂取量を減らす、薄味を心がける
  • 食物繊維やカリウムを多く含む野菜、海藻類、きのこ類、果物を摂取する
  • 夕食が遅くなるときは補食や分食をしたり、軽めの内容に調整する
  • よく噛んでゆっくり食べる
 
食事をする女性

【運動】

  • 家事や育児、通勤などで日頃からこまめに体を動かす
    例:動画をみながらストレッチ
      歯磨きしながらスクワット
      信号待ちでかかと上げ下げ
      電車やバスで立って過ごす
  • 今よりも歩数を増やす
  • 定期的な運動習慣を持つ
 
歩く女性

【喫煙、飲酒】

  • 飲酒は性差年齢に応じた適量を、休肝日を設けほどほどに嗜む
  • 節煙や禁煙をする
 
煙草に「NO」の男性

【睡眠・休養】

  • 積極的休養/消極的休養を組み合わせ、やりたいことがやれる自分になる

    *「健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)」などを
      参照し、ライフスタイルに応じた良質な睡眠をとる
    *健康づくりかわら版2023年1月号も参照ください
      <日本人は休み下手?!~『休息力』を高めるために~>
      https://www.jpm1960.org/kawara/04/202301.html
 
眠っている男性

【管理】

  • 定期的な健診や人間ドッグ、がん検診などを受診する
  • 健診結果を放置せず、二次検診や特定保健指導などを活用して健康維持に努める
  • 日々の体重測定や血圧測定と生活行動の関連を振り返る
  • 毎日の歯磨き等セルフケアに加え、定期的なクリーニングなどプロフェッショナルケアを受け口腔衛生を保つ
 
診察を受ける女性
 
 

「社会で取り組む健康」を考える

 

新型コロナウイルス感染症拡大があり、職場や学校、友人等のコミュニティで食事をともにする割合がさらに減少しました。
誰かと食事を共にすることは、心身ともに健康的な食習慣に関連していることがわかっています。家族や地域、友人とのつながりをもっておくことは大切ですね。

そして、生産人口が少なくなっている社会構造の変化により、労働者の健康を確保することも職域や自治体、民間団体など多様な主体に求められてきています。
健康経営もその1つで、2024年3月11日に健康経営銘柄2024ならびに健康経営優良法人2024が認定され、開始約10年で企業や保険者等で従業員の健康づくりが推進されています。一人ひとりが健康づくりに取り組むことが、従属する社会の健康づくりの推進にもつながっていきます。

 

最後に・・・

 

「家族は一番小さな社会の単位だ」と子どもたちに伝えています。
自分自身が健康であることが、家族が健康であり、社会が健康であり、国が健康であることにつながり、また自身の健康にめぐってくるものだとも思います。皆様も「私の健康」の未来を想像しながら、今できる食事や運動などの健康的な生活習慣への改善を意識してみてはいかがでしょうか。【K.H.】

 

※今回の記事は次の資料を参考にして作成しました。
・健康日本21(第三次)

 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/

 kenkounippon21_00006.html 最終閲覧日:2024年3月11日
・健康経営優良法人2024認定法人一覧(ACTION!健康経営)

 https://kenko-keiei.jp/houjin_list/ 最終閲覧日:2024年3月14日

 
 

PDF版はこちら【2024年3月】健康づくりかわら版をダウンロード

 

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