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長い連休が明けて今日からまた日常生活へ。多くの方が連休明けの憂鬱な気持ちを感じていらっしゃるかもしれませんね。
まずは今日1日を乗り切り、少しずつ日々の生活リズムを取り戻していきましょう。


さて今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

健康目標の立て方 マスターしてる?

 

みなさんは「身体にいいこと」始めていますか?人生100年時代、充実した人生を送るための大きなテーマである「健康」。
“体が資本”であることはわかっているものの、日々の生活の中で健康の優先順位が後回しになっていたり、健康づくりのために目標を立てたものの、継続できず三日坊主になる方も多いかもしれません。
実は、目標の立て方にはいくつかのステップやコツがあります。

 

そこで今回は「健康目標の立て方」に関するお話です。

 

健康目標を立てるステップ

 

目標を立てても達成できず憧れで終わってしまう。その要因は、実は自分の努力不足ではなく目標設定にあることも多いのです。
健康づくりのために達成したいことがある方は、次のステップやコツを参考に、自分に合った目標を立てることを意識してみてくださいね。

【ステップ①】理想ややりたい事をイメージする
「~したい」「~に行きたい」「~ができるようになりたい」など10年後、20年後の健康な身体を想像しながら、心から達成したいことやワクワクすることを、思いつきでよいので箇条書きにします。整理することで自分の目的が明確になり、目標が見えてきます。

【ステップ②】自分の身体を知る
健康のために何かを始めるとき、必ず確認してほしいものが「健康診断」「がん検診」「人間ドック」「ストレスチェック」などの結果。これらは身体からのメッセージであり、目に見えない臓器や血管、ストレスなどの状態を知ることができます。
直近1回の結果だけでなく、少しずつ悪化している数値なども把握しておくことがポイントです。

 

参考:けんしん(健診・検診)を知る!受ける!活かす!
   (2019年4月健康づくりかわら版)
   https://www.jpm1960.org/kawara/01/post-33.html

 

また、歩数、起床・睡眠時間、食事内容などの現在の生活習慣や、体重、体温、血圧などを記録・把握することもおすすめです。
見える化し、自分の身体を「知る」ことで自ずと何をすべきかが見えてきます。

【ステップ③】課題を解決する
健康課題は何か、また生活習慣を改善していく上でクリアしていかなければならない課題(「お金」「時間」「環境」「体力」など)はどうしたら解決するか、工夫できることはないかを検討していきます。

【ステップ④】具体的な行動目標を立てる
「いつ何をどれだけいつまでに行うか」など、期日や具体的な数値で目標を立てます。そしてハードルは低く、少しの努力で達成できる内容にすることがポイントです。

例)ウォーキングをする→週2回、15分散歩をする/今より1日1000歩多く歩く(1か月間)など。

 

そして、目標を立てたら「はじめの一歩」をすぐに踏み出します。
どれだけ立派な目標を立てても、実行しなければ達成できません。
イメージ通りに進まないこともあるので、実行しながら自分に合った目標に修正していきます。

 

もっと、楽に、楽しんで 続ける

 

目標を達成するために大切なことは、「楽しく続ける」ことと、そのための「環境づくり」。

 

運動であれば、必要な持ち物を玄関に用意しておく/すでに習慣化していることと組み合わせる(例:歯磨き+スクワット)/一緒にできる仲間を探す/イレギュラーの場合の代わりを見つけておく(例:雨の日は腹筋20回に切り替える)/歩数や体重など成果が見えるようにする…など。

 

また、自分へのご褒美や、モチベーションが上がる本・名言・映画・ポスターなどを用意しておくこともおすすめです。
我慢ではなく、自分がどうしたら継続できるか、ゲーム感覚で楽しみながら続けられるよう工夫していくことがポイントです。

 

目標が達成できなかったときは…

 

達成できなかった目標も決して無駄にはならず、次につなげていくことで自分の糧になります。原因が「目標」なのか「自分の行動」なのか、「なぜ達成できなかったのか」を分析し、目標を修正していきます。

 

例えば、「スリムな体形になりたい」という目的で「夜の食事は食べない」などの無理な食事制限を目標にした結果、空腹で夜中に菓子を食べて体重が増加した、ストレスで飲酒量が増えた、健診結果が悪化したなど、悪い影響がある場合は目標の見直しが必要です。
「食事は抜かず、エネルギー量の少ないおかずを選ぶ」などに修正し、再度目標に向けて実行していきます。

 

計画→実行→修正を繰り返すことで、自分に合った計画設定ができ、目標達成への手がかりが見つかるはずです。

 

最後に・・・

 

WBCで大活躍した大谷翔平選手の目標達成シート(マンダラチャート)が話題になりましたね。
「目標」は比較的若い世代に使われることが多いですが大人にとっても大切なもの。多忙で自分の健康がおろそかになりやすい人ほど、自分の健康と向き合い目標をもつことで、いろんな問題も乗り越えらえるように感じます。
現状維持は後退への第一歩。さて、昨日の自分を超えていくために、あなたが達成したい数字や目標は何ですか?

 

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。
「令和元年度国民健康・栄養調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html


令和元年度版労働経済白書 第Ⅱ部第3章(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3.pdf(最終閲覧日2023年4月17日)


標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194155.html(最終閲覧日2023年4月17日)


健康日本21(第二次)最終評価報告書(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html(最終閲覧日2023年4月17日)

 

PDF版はこちら 【2023年5月】健康づくりかわら版.pdfをダウンロード

 

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