最近の例を一つお示しします。
「2022年はインフルエンザが大流行」という見出しのニュースが昨秋躍ったように記憶しています。 これは2021年9月に日本感染症学会が「2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」で「インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨」した提言に由来します。 https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=44
その提言の中に「英国政府は、今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年流行がなかったために例年の1.5倍の大きさの流行になる可能性があるとして、インフルエンザワクチン接種を呼び掛けています」とあります。昨秋のニュースはおそらくここを切り取って「2022年はインフルエンザが大流行」という見出しになったのだろうと思います。
そして今。 2021-2022年シーズンも前年と同様、現時点では流行していませんので「日本感染症学会がまちがった」と、はやガテンした人もいるでしょう(わたしもその一人です)。
しかしこの提言は、流行の可能性に言及し、新型コロナウイルス感染拡大時に医療現場の負担を減らすためにもワクチンで予防できる疾患には積極的な接種を、と述べています。
「2022年はインフルエンザが大流行しますよ~」と喧伝しているわけではありません。
毎日大量にあふれるニュースのヘッドラインだけを見ていると、勘違いや誤読も増えてしまいますね。
|