あっという間に2021年も残り1か月。新年を元気に迎えられるよう、日々の体と心のメンテナンスを続けていきましょう!
さて、今月の【健康づくりかわら版】をお届けします!

 

腸も大掃除?! すっきり「快腸」で新年を!

 

快食・快眠・快便。毎日をイキイキと生活していくためには、必要な要素ですね。

便秘という名のごとく、便秘があってもついつい内に秘めてしまい困っていたり、たかが便秘だと考えてそのままにしてしまっていたりしませんか?

便秘はそのままにせず、まずは生活を見直してみましょう


そこで今月は『便秘の予防改善』に関するお話です。

 

便秘について考えてみよう

 

食べ物を食べると口から胃へ食べ物が移動します。胃から送り出された食べ物は十二指腸、小腸で消化吸収を受けながら大腸へ進んでいきます。大腸では、水分や電解質の吸収が行われ、便ができていきます。便が直腸に流れると反射が起き、その情報が脳に送られて便意を感じ、トイレに行くと肛門が開き排便となるという仕組みです。

 

便秘は、そのルートの中で、腸の動きや働き、腸管の通り道の異常などが起きている可能性があります。その要因には、加齢やホルモンバランス、不規則な生活、偏った食事、運動不足、ストレスなどいろいろなことが考えられます。
便秘をあなどってはいけません。病気が隠れている場合や、お薬の影響で起きることもあります。心の不調を招くケースや手術が必要となるケースもあるのです。

 

腹痛や吐き気、発熱などを伴う、便に血が混ざる等がある場合には、早急に医療機関に受診をしましょう。
また、生活習慣の改善等を試してみても便秘が続く、便秘がつらい場合は、内科や消化器内科、便秘外来などを受診することをお勧めします。
市販の下剤を常用することで、便秘を招くこともあります。薬剤師に相談する、用法容量を正しく守って使用してください。市販薬を使用しても便秘が続く場合には、医療機関に相談しましょう。


 

 

便秘予防・改善の心得

 

『生活習慣』『腸内環境』を整えることがポイント。
特に“朝”に焦点を置いてみましょう。

  • 生活リズムを整えることが大切!
    規則正しい生活は自律神経を整え、規則正しい排便リズムにつながりやすくなります。
    1日3食、特に朝食は、体内リズムを整え、胃や腸を刺激し、排便反射を促しやすくなります。また、朝食後にトイレに座る習慣をつけることもオススメです。
    洋式トイレでは、床に足をつけ(つかない場合は足置き等使用)、上半身を前かがみにすることで、便の出口がまっすぐになり、便が下がりやすくなります。
  • トイレはがまんしないで
    便意を感じた時にトイレに行くことは非常に大切です。我慢することが多いと、便秘が悪化しやすくなります。
  • 適度な活動や運動を取り入れると◎
    適度に体を動かすことで、腸の動きが促されます。また、排便時に使う筋肉の衰えも便秘の要因の1つに。
  • 睡眠・休養・リラックスは大切。
    緊張感が長く続く、ストレスが大きい場合には、自律神経の乱れから腸の動きや働きが弱まります。湯船に浸かる、ストレッチを行う、アロマを楽しむなどリラックス時間を作りましょう。
    また、睡眠や休養の時間はしっかり確保することも大切ですね。
  • 水分はしっかり摂ろう!
    便秘の原因の1つには、便が硬くなってしまうことが考えられます。時間やタイミングを決めて水分を小まめに摂りましょう。
    特に朝の起床後には、コップ1杯のお水がオススメ。
    便がやわらかくなり、排便がしやすくなります。
  • 腸内細菌を増やそう!
    腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個生息しており、善玉と悪玉、そのどちらでもない中間の菌があると言われています。
    健康のためには、腸内に善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)の割合を増やすことがポイント!

    (1)生きた善玉菌を直接摂取!
    ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物などがオススメ。
    ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。そのため毎日続けて摂取し、腸に補充していきましょう。

    (2)腸内の善玉菌を増やす作用のある食材を摂取!
    食品成分としてはオリゴ糖や食物繊維で、これらの成分は野菜類・果物類・豆類などに多く含まれています。

    オリゴ糖は、大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどの食品にも多く含まれています。
 

健康よもやま話 ~秘めたるパワー~

 

≪腸内細菌のパワー≫
善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にします。それ以外にも

  • 食中毒菌や病原菌による感染の予防
  • 発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制
  • 腸内でビタミンを産生
  • 免疫機能を高める
  • 血清コレステロールを低下させる効果

などが報告されています。
ちなみに、腸内細菌バランスが良い便のサインは、黄色から黄色がかった褐色で、においがあっても臭くなく、形状は柔らかいバナナ状です!

 

≪食物繊維のパワー≫
食物繊維は小腸で消化・吸収されることなく大腸まで達する成分です。日本人の摂取量は減少傾向にあります。
便の量を増やしたり、腸内細菌を増やすなどの整腸効果以外にも

  • 食後の糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑制
  • 血中コレステロール値を下げる

などの効果も明らかになっており、いまや第6の栄養素と言われることも。
なお、食物繊維は、豆類や野菜、果物、きのこ類、海藻類に多く含まれています。食物繊維が豊富な食材を食べるときには、噛む力・飲み込む力も重要なポイントになるかもしれません。

 

最後に・・・

 

快食・快眠・快便。快便のためには、食事や睡眠も大きく関わっています。また、体を動かすことも大切なポイントでしたね。
食事・睡眠・運動/活動が生活リズムを整え、健康的な生活の資本。その生活の1つ1つが快便に導いてくれます。
なお、便が毎日でないと便秘だ!と思いがちですが、排便の頻度は食事量でも変化しますし、個人差があるものです。不快感がなく、定期的に排便がある場合、それは「便秘」ではないかも?!
いつもの自分の排便を知り、健康のバロメーターの1つとして、トイレ時間を活用していきましょう。

※今回の記事は次の資料を参考・引用して作成しました。

 

  • 【厚生労働省 e-ヘルスネット】 (最終閲覧:2021年11月15日)
    腸内細菌と健康 清水純
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

  • 便秘と食習慣 福村智恵
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html

  • 食物繊維
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html

  • 食物繊維の必要性と健康 清水純
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

  • 過敏性腸症候群
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-079.html

 

労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)からのお知らせ

 

労働安全衛生法改正提案により、国内の化学物質管理が大きく変わります!

現在、厚生労働省の職場における化学物質等の管理のあり方検討会において
化学物質の管理について検討が重ねられており、次年度以降、管理の方向性が大きく転換する見込みです。

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検討会報告書のポイントについて
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  • 危険性、有害性が確認された全ての物質に対して、国が定める管理基準の達成を求め、達成のための手段は指定しない方式に大きく転換していきます。
  • 企業規模や業種に関わらず、危険有害性がある化学物質を扱う場合は「化学物質管理者」の選任が義務となる見込みです。
  • 直近では、まずはラベル・SDSの交付対象物質が236物質ほど増える見込みです。
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099635_00002.html
    ※今後、数年かけて約2900物質に規制が拡大する予定。
  • B to B取引における法令遵守上、ラベル・SDSへのより深い理解が求められます。

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◎検討会報告書の概要については、以下サイトよりご確認いただけます。
  https://www.jniosh.johas.go.jp/groups/ghs/arikataken_report.html
 ※リンク先は労働安全衛生総合研究所です

◎検討会報告書に基づく、労働安全衛生法の改正提案について、
 以下の動画サイトにて、概要の視聴が可能となっております。
  https://youtu.be/BTYUo5hw2JA

 ※リンク先はYoutubeです

 

【本件に関する問い合わせ先】
 労働安全衛生総合研究所 化学物質情報管理研究センター
 cimr-toiawase@h.jniosh.johas.go.jp
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PDF版はこちら  【2021年12月】健康づくりかわら版.pdf をダウンロード

 

一般財団法人日本予防医学協会
HP https://www.jpm1960.org/
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