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[ひとくちコラム]私たちの人間環境について〜よりよい未来のために
[ひとくちコラム]独立独歩を支える3つの自律
[ひとくちコラム]忘れてはいけない「下駄を預ける」という言葉

[ひとくちコラム]私たちの人間環境について〜よりよい未来のために
2007年02月14日

 私たちは、家庭・職場・地域で人間環境に恵まれている。私たちは、自分のことは自分が一番わかっていると思いこんでしまうが、意外にわかっていないのが自分自身についてである。自分で気づかなかったことを、ふとした機会に他人から指摘されて驚くことがある。気づかなかった自分の本当の姿を、他人によって知ることができたのである。私たちは、他人によって新しい自分に気づき、自分を成長させてゆくのである。

 仕事での疲れは4分の3の人が「疲れを感じる」と言っており、その内容は「職場の人間関係」つまり上司と部下、先輩と後輩、同僚あるいは男女の間で「人間関係」が良くない、「仕事の量」が多く、「仕事の質」が要求されるけれども、ついてゆけない、というのであった。

 私たちは誕生以来、人間環境の中で成長してきたのに、「人間関係」に最も大きな疲れを感じるとは・・・。ひとは他人の顔を見て、その内面(心)を読もうとする。顔と内面が正確に一致するなら、誰も苦労はしない。一人の人間と個人的あるいは組織のなかで接触が続くとなると、第一印象によって判断することになるが、それを固定してはいけない。
 言葉づかい、考え方、態度、趣味・嗜好などによって、判断の正否を確めることである。人間を見抜く目を養うことである。

 ストレス学説を唱えたセリエは「ストレスは生活の味付け(スパイス)である」と言い、アダムスは「適当なストレスが生産性を上げる」と言っている。心の健康状態を自分でチェックし、コントロールすることが「心の健康づくり」の秘訣である。楽しい、さみしい、うれしい、悲しい、明るい、暗い、張り切っている、落ちこんでいるなどの感情は動きやすく、誰にでもあるいろいろな瞬間で、それをつなぎ合わせて生きている。それよりも生活のなかに習慣化していること、行動は心の状態を反映していると考えて、それをチェックし、コントロールすることを、私は勧めている。
 チェック項目は、挨拶(気持ちよく挨拶が交わせた)、食事(おいしく食べた)、新聞(朝刊に目を通した)、服装(少し気を配った)、運動(好きな運動・歩行ができた)、読書(活字を楽しんだ)、テレビ(好きな番組・ニュースを視聴した)、入浴(ゆっくり風呂に入った)、団らん(家族に声をかけた)、睡眠(起きたときの気分がよい)などである。

 職場管理者、一般職員の双方に、私は「心の健康づくりABC」を使っている。一次救急処置のABCになそらえて、挨拶で気道(心)を開き、対話で先輩・後輩間の呼吸を整え、同僚との連けいプレーで循環(血の通った協力)を図るという意味で作成したものである。

表1 心の健康づくりABC
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 AIRWAY<気道の確保→挨拶>
 BREATHING<呼吸→対話>
 CIRCULATION<循環→連携プレー>
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 いまの人間関係は、これからの人間関係につながる、生涯の人間環境の一部であると考えたい。そうすると、自分を客観的に見ること、もう一人の自分を育てて孤独にならないことが大切である。広い視野に立つには、大空から見おろす鳥の視点で問題をとらえようと考える必要がある。どんな意見のなかにも、賛同できる部分が少しはあるはずと思って、相手を全面的には否定しないこと。コミュニケーションは、言葉の勢いや息づかいを通して、感情を伝え合うから、インターネットより強いと考えたい。

 現代は、ひとりでできることは少ない。自分で考える力をつけるためにも、人の知恵や知識を借りられるように、人間関係をつくること。人と協力してこそ、よりよい成果を生み出すことができる。一つひとつの小さな習慣が、大きな成功を生み出す源になるのである。
 説得成功のカギは、いかに相手の本音を聞き出せるかにかかってくる。予測を裏切る情報こそ価値があると思うべきである。心に響くスピーチは「間」で決まるから、「立て板に水」ではいけない。本物のプロは、わざとトチるのである。

 情緒に訴えて相手を説得するには、夕方以降の方が有利で、論理的に説得するなら午前中がよいと言われている。数字に頼り過ぎてはいけない、数字は聞いたとたんに忘れられると思った方がいい。「ひと言」で答える人こそ、内容に裏づけがある、ひと言でまとめる訓練が大切。答えられないことについては「わからない」と言うべきである。「がんばろう」では、人は動かない。常套句と決別することで、事実と向き合うことができる。

 チャンスは、人が与えてくれるもの。「私は運のいい人間なのだ」と思うことが大切。自分を取り巻く人間関係は、自分の力で変えられる。自分の態度を変えれば、相手も変わる。
 相手の長所を知る人に、「いい出会い」が訪れる。いい出会いとは、相手の長所との出会いである。自分の感情をコントロールして、相手の「いい面」と向き合うことが大切。好きになれば好かれ、嫌えば嫌われる人間関係だから、あの人は一人で過ごすタイプであると思わないことである。

表2 マイナス・チェックからプラス・チェックへ
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  ひとりびとりの長所を見つける
       ↓
  長所を伸ばすように心がける
       ↓
  長所がかげってきたら、注意する
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 「貧乏くじ」は、自分の力を試すチャンスになると考える。人生は幸運と不運とが半々だから、幸運をつかむチャンスはある。人と人との関係は「ビックリ箱」で、何が出てくるかわからない。その意外性をワクワクして迎えればいい。

 挨拶は先に気づいた方が声をかけること。挨拶のセルフチェック項目は、あ(相手の顔を見て)、い(いつも笑顔で)、さ(さわやかな声で)、つ(常に挨拶を返す)である。
 相手に自分の姓名をきちんと伝え、相手からも聞きとることが大切。同姓は沢山いるから、姓だけでは知ったことにならない。
 誰かと話すときは、「壁に耳あり」と思って、周囲を観察する必要がある。携帯番号は教えないのが基本ルールである。
 勤務中にかかってきた家族からの電話には必ず出ること。「会議中」と電話に出なかった役員と家族の仲たがいに苦労した経験がある。

表3 日記のすすめ
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  腹囲  血圧  脈拍  体重  食事  スポーツ

  歩数  睡眠  酒   煙草  心に残る出来事
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会長 高田和美


[ひとくちコラム]独立独歩を支える3つの自律
2007年02月01日

 保健師の資格のみでの開業。求められる内容は、産業の場における働く人を対象とした保健指導(広義)です。主に健康相談と健康教育をアウトソーシングのかたちで依頼を受け、現場に出向いての実践活動です。開業の魅力は、プランニングから実践、評価までを独自に取り組むことができる自由性にあります。
 しかし、独立には「自由と権限」があるのですか、それ以上に「義務と責任」の遂行が開業にとっての必須条件となってきます。
開業の基礎は、もちろん看護としての理念と倫理にもとづく専門性の自立であることはいうまでもありません。それに加え「独立独歩」には、他からの支配や助力を受けず、自分の行動と自分の規律に従って正しく規制する「自律」が必要であると痛感しています。開業の礎となった「三つの自律」についてのべてみます。

その1「保健師としての自律」
 いうまでもなく、対象からの依頼は保健師という専門職に対するものです。そこには、保健師として行なう「保健指導」の機能性が求められます。その確立には、「医師が行なう保健指導」と「保健師が行なう保健指導」の専門性のちがいを明確にしておかなければなりません。
 具体的には、医師の保健指導が「病気の予防・診断・治療・リハビリに関する主体的指導」であるのに対して、保健師の保健指導は「人の生き方の流儀や生活のありようの充足に関する支援的指導」であるという専門性のちがいを認識しておくべきです。対象者の生命と人間性の尊重をめざし、支援する立場にあっては本人の「自己決定」を重視する、自律がなくてはなりません。

その2「生活科学にもとづく支援の自律」
 最近では保健指導(広義)に対する現場からの要求は、フィジカルヘルスからメンタルヘルスへと重心が移ってきているようにみえます。内容はリスク管理から職場の活性化へと変化している傾向がみられます。職場の合理化により疲れている人の元気さにかかわる「生きる張り合い」「歩む張り合い」「居る張り合い」など、生きがい、働きがいにかかわる支援が現場からは求められるようになりました。
 その支援には医学や保健学に加え「健康生活科学」の研鑽がなければ、対象者の「気づき」「受容」「行動」の自己決定支援にまで及びにくいと思います。人に対する支援者は、いつまでも幅広い学識を求める自律を怠ってはならないということを課題として、歩んでいます。

その3「脇役としての自律」
 開業保健師の場合、ユーザーやクライアントが「主役」であり、保健師は「脇役」です。脇役の自律には、人に接する心構えとしての「カウンセリングマインド」。
 相手をなるべく枠組みなく受容する「共感性」。言葉で通じ合える「感性」が必要です。支援者として40年をすぎた今もなお、培養しきれない自律であり課題なのです。

清水ヘルス・ケア 清水高子


[ひとくちコラム]忘れてはいけない「下駄を預ける」という言葉
2006年08月20日

自分の下駄の行先を人にまかせてしまうことを、「下駄を預ける」という。預けた以上は、その人が指さした方向、出された結論にも従うことになる。
 上司や先輩が預けるからこそ収まりがつくのであって、責任のとれない相手に向かって「下駄を預ける」という無責任なケースは多分ないだろう。
 したがって、上司や先輩は「君には行先をまかせられるよ」、「君が決めたことには従ってみるよ」と大幅に部下、後輩の君を認めてくれたのである。
 組織の中で、そのような望ましい人間関係が生まれるには、お互いの人間性、お互いの長所と短所を知り合う必要がある。本当の自分を見せ合うことによって、信頼関係は築かれるのである。
 少し心配なのは「下駄を預ける」という日本の言葉が、組織の中でどう受取られるのか、通じるかどうかである。
 たまにしか下駄を履かない生活である。それでもよい。たまには「下駄を預ける」といわれたいと思いつつ働きたいものである。

会長 高田和美


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